夜桜たまは、アイドル部は死なない
【夜桜たま、猫乃木もち契約解除につきまして】
— .LIVE【どっとライブ】 (@dotLIVEyoutuber) 2019年12月4日
下記URLより皆様にお詫びとご報告を申し上げます。https://t.co/6my0xWCdnk
この記事は、別に誰が悪いかはっきりさせるだとかそんなことを目的に書くのではない。
世の中は簡単に白黒つくような出来事だけではないし誰かにとっての敵が誰かにとっての味方なのだ。
だからこれは私の単なる自己満足のための記事であり、この行く場のない感情と、ほんの少しの足跡を残せればと思って書くものである。
簡単な前置き
夜桜たまさんと猫乃木もちさんが契約解除(つまりアイドル部をやめ引退するということ)が発表された。
一連の騒動(本記事ではその詳細については述べない)の結末が、このような形となったことは本当に悲しいし、これがたまさんの望んだものであったとは思ってはいない。しかし、現実として、夜桜たまは表舞台から姿を消した。
目を背けても、それは変えられない現実なのだ……。
Vtuberの引退とは、まさに死である。
この先になんの生も残らないし、動画が消えてしまえば、その活動の足跡さえも極めておぼろげになる。蜃気楼のようなものだ。
ネットに生きる存在なのだから、当然なのかも知れない。
Vtuberの興隆から早2年以上。
引退した人も、それなりにいる。
自分の知らない範囲でなら、フェードアウトしてしまって気づけば二度と顔を拝めないような人もたくさんいるに違いない。
つまり何が言いたいかというと、彼ら彼女らの死に、告別式は開かれず、焼香をすることができるだけでもきっと幸運だということだ。
……。
すまない。これは、強がりだ。
私は寂しいのだ。
どうしようもなく。
この別れが。
私事だが、この2年は重く苦しい私生活を送っていた。
そんな私の支えは確かにアイドル部のみんなだった。
今の私は、彼女たちによって構成されているのだ。
だから、こんな時ぐらいはそのそばで支えてあげたいと願うことは、エゴなのだろうか。
……エゴなのかも知れない。でも、それでも、この場だけは許してほしい。
君へ
私は本当に話の構成だって上手くない口下手な人間だ。だから、思いを伝えるために他人の言葉を借りることを許してほしい。
ZAQさんの歌で「君へ」というものがある。
それを、私は夜桜たまさんへ送りたい。
この世界の小さな場所で君の姿を見つけたあの日風を受けて笑っていたね
私の心が染まった
どれだけ近くに至って思いが伝わるわけじゃないね
どれだけ離れてもこの想い変わらないよ
終わりなんて来ないだからもっと狂おしいほどに愛させて
あの日の言葉忘れない
忘れられない君へ
届いて欲しい
courage
先ほどの言葉が、私から彼女たちへの贈る言葉だとするなら、もう一つだけ言いたいことがある。
これは、どちらかというと、私と同じような側の人間への言葉、ということになるかも知れない。いや、彼女たちに関わった全ての存在、だろうか。
——いや違うかもしれない。結局、これも夜桜たまさんへの言葉だ。
……私は、肯定してあげたいし、したいのだ。
彼女たちの足跡は間違ってなどいなかったし、その志までもが今日という日に死んでしまったわけではないと。
これも、申し訳ないが楽曲から引用させてもらいたい。
君が描いた未来の世界は
今も何処かに生き続けて
本当の自分を受け入れてくれたあの光を
あぁ Oh, give in for my way
夜桜たまは、アイドル部は死なない
私が言いたいのは、結局のところ単純な話になってしまう。
つまり、
私たちの中で、誰か一人でも彼女たちを覚えている存在がいる限り、彼女たちは死なないし、その存在は永遠である
ということだ。
冒頭の告知の数日前に、電脳少女シロちゃんからこの曲の歌ってみたが投稿されたのは、きっとたまたまだと思う。
けれど、私にはこれがレクイエムに思えてならない。
これ以上にこれまでの夜桜たまとアイドル部への賛歌であり、鎮魂歌である曲があるだろうか?
楽しかった時間に刻みつけたものは、確かに私の心の中に、みんなの心の中に残っているよ。
歌いきったことは、あなたが活動してきたことは、絶対に無駄じゃないよ。
そう、言いたい。
これからも続く
こんな話をしてきたけれど、私は別に本当に地球上の全人類が二人のことを忘れネットからその存在が全て消えてしまったとしても、アイドル部は死なないと思っている。
そして、実際に今も死んでなんていないと思っているのだ。
なぜなら他の彼女たちはきっと胸の痛みを押し殺して配信をしてくれるだろうし、シロちゃんも毎日投稿を続けてくれるだろう。
——ただ、それは、一週間前とは形が違っている
この事実から目を背けることはできないし、してはいけないことだと思う。
そして、それを噛み締めた上で、私たちは明日に向かっていく責務がある。
それは、生者の義務だ。
進んでいくと、変わってしまうこともあるかも知れない。
確かに、永遠はない。
けれど、彼女たちと過ごした歳月の中で得たものは、無限なのだ。
胸の中に残り、私たちを動かし続けるのだ。
皆のその道程の上に変わらずアイドル部という存在がいてくれれば、私は嬉しい。